あなたの希望を一つ消してしまうようで申し訳ないのですが、
デュタステリドやフィナステリドを含んだ塗るタイプの育毛剤は、
まだ本当の効果を発揮する時期ではないです。
少なくとも、お金をかけて行う価値はないと考えています。
その理由についてご紹介しますね。
この記事は現役の研究者(元ハゲ)が、
ハゲのために誠心誠意込めて書いています。
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デュタステリドやフィナステリドの外用ローションを使用するのはまだ早い
りんごをお腹の上に置いてください。
お腹は一杯になりましたか?
振動を与えるから大丈夫?
では、お腹にめがけてりんごを投げつけてください。
胃袋に入りましたか?
デュタステリドやフィナステリドの外用ローションを塗るということは、
この現象を期待するということです。
デュタステリドはエタノールに溶解します。
1mLのエタノールに44mgのデュタステリドを溶解することができます(1)。
さぁ、これを振り掛ければ、増毛できるのでしょうか?
デュタステリドでの報告はまだありませんので、
フィナステリドの報告を見てみましょう(2)。
この研究では、
「3%ミノキシジルのローション」
「3%ミノキシジル+0.1%フィナステリドのローション」
の効果を比較しています。
6ヶ月使用した結果、二つのグループで毛の数に違いはありませんでした。
違いはありませんでした。
遠目から見た評価は、
「3%ミノキシジル+0.1%フィナステリドのローション」
で効果があったという報告です。
毛の数は変わっていないのですから、
遠目でみて効果があったと言われても、
参考にならないと思います。
論文にするためですからね、
なんとか、結果を出したかったのかなぁ、
なんてゲスな勘ぐりをしてしまいます。
デュタステリド外用は実現できないのか?
2011年の報告ですが、デュタステリドの外用を目的とした研究があります(3)。
この研究では、薬を患部に届けるために、
多層性リポソームという小さな泡を利用した方法、
これが使えるかどうかという可能性を検討しています。
この方法で、デュタステリドを安定した形で保存することができるということを報告しています。
素晴らしい結果だと思います。
デュタステリドが化学的に変化してしまったら意味がないですものね。
この人たちの続報を探したのですが見つかりませんでした。
可能性としては、
・ 研究がうまくいかない
・ 製品化のために情報を隠している
のどちらかでしょう。
このような先行研究がありながら、
他の研究者たちが、
2014年にもナノエマルジョンという技術でデュタステリドの外用を試みています(4)。
つまり、他の方法を模索しているんです。
なんででしょうね?
2011年の時点でこのような研究がされていながら、
デュタステリドの外用ローション(育毛剤)は数えるほどしかありません。
ネガキャンになってしまうので商品名はふせますが、
ドラッグデリバリーを目的として、リポスフィア技術を使った製品があります。
リポスフィア技術は、
もしかしたら2011年の研究報告された多層性リポソーム技術を真似たものなのかもしれませんが、
詳細を探してみましたが、情報がないため分かりませんでした。
その製品の説明を見ても分かりません。
ミノキシジルの浸透を助けるようですが、デュタステリドについては言及していません。
参考情報: https://jisapp.org/topics/bakumokon.htm
上のサイトでDS Healthcareという会社の製品のように書いていますが、
DS Healthcare社のホームページに行っても商品が見つかりません。
ミノキシジルが本当に入っているなら、まぁ、効きますよね。
ミノキシジルが。
そもそも、デュタステリドを開発したグラクソスミスクライン社は超大手企業です。
東大京大を出るような優秀な人材が数多く入社しているはずです。
この会社が、アメリカなどにおけるプロペシア訴訟問題を知らないわけがありません。
間違いなく、副作用が少なくて済む、外用薬の形にする研究をしています。
それにもかかわらず、内服薬での販売しかしていないのです。
超大手企業が
超優秀な人材を抱えていながら、
莫大な予算がありながら、
外用薬を作れていないのです。
それにもかかわらず、大したことない小さな企業が、
デュタステリドやフィナステリドの外用ローションを販売しています。
どういうことなのか考えてみれば、
デュタステリド外用ローションは選択肢から外れるのではないでしょうか。
飲むタイプの育毛剤ザガーロ(デュタステリド)が信用できないあなたには
こちらの記事がオススメです。
→最強の育毛剤であるザガーロの限界とは?(効果と副作用)
参考情報
(1) http://www.scbt.jp/datasheet-207600-dutasteride.html
(2) http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23193746
(3) http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21513483
(4) http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25587300