アデノシンはFGF-7、IGF-1、VEGF、β-カテニンを増やすことで育毛効果が発揮されます。
この効果はミノキシジルとほとんど同じ原理で起こります。
それでは、なぜミノキシジルが医薬品で、アデノシンは医薬部外品なのでしょうか?
もくじ
ミノキシジルと同じ原理でアデノシンが働くの?
はい、利害関係のない複数の研究者が報告している事実です。
アデノシンがミノキシジルの作用の途中の物質であることは以前に記事にしましたので、
読んでみてください。
アデノシン(アデノゲンEX)は何で効くの?ミノキシジルだからです
医薬品と医薬部外品
医薬品は有効成分を含み、症状の治療を目的としたものです。
医薬部外品は有効成分をある程度含み、症状の予防などを目的としたものです。
当然、医薬品の方が効果が大きいことが期待されます。
では、なぜ、アデノシンは医薬部外品なのか?
それは2つの要因が絡んでいます。
・ すでに化粧品の成分として使われていた
・ アデノシンの作用機序がわかっていなかった
です。
アデノシンはすでに化粧品の成分として使われていた?
アデノシンが医薬部外品の育毛剤の有効成分として申請されたのが2004年のことです。
資生堂がアデノシンの育毛効果を発見し、今も地道な研究データを積み重ねてきています。
この2004年の時点で、世界各国で数多くの化粧品に、0.1%以下の量でアデノシンが含まれた製品が販売されていました。
アデノシンが育毛に対して有効とされる濃度は0.75%です。
つまり、育毛剤としてアデノシンを入れるならば、
それまでの使用量と比べて、かなり多い量のアデノシンが含まれることになります。
この濃度の問題は医薬部外品の審査においても追求されています。
なぜなら、医薬部外品としての定義に
・ 脱毛の防止、育毛または除毛
がありますが、
・ 成分、分量、本質が医薬部外品の範囲内であるもの
・ 効能もしくは効果、用法・用量が医薬部外品の範囲内であるもの
・ 主な使用目的は”防止”である
という制限があります。
特に重要な部分としては、
医薬部外品の効能又は効果の範囲
・ 薬機法の規定により“作用緩和”なものである。
・ 主たる目的は“防ぐ(防止)”であって、治療ではない。
という部分でしょう。
アデノシンは、血管拡張作用がありますが、
ビタミンB3と同程度の血管拡張作用しかないため、
この”作用緩和”(弱い)なものであるということになったのだと思います。
ですが、その育毛効果の本質は、ミノキシジルと同様に、
毛根の細胞分裂などを刺激することで、
ヘアサイクルの成長期を維持することにあります。
このヘアサイクルの成長期の維持については、
2012年に 資生堂とは関係のない韓国の研究チームから報告されています(2)。
また、アデノシンがアデノシンリセプターを介して育毛効果を発揮することは2007年に報告されています(3)。
つまり、医薬部外品として申請した2004年には、
アデノシンの作用機序が明らかになっていなかったのです。
アデノシンの作用機序がわかっていなかったから通った?
上でも書いてきたように、幸い?なことに、
医薬部外品の申請時点の2004年には、アデノシンがヘアサイクルに対して影響があるかどうかは、
科学的に明らかになっていませんでした。
ちょっとこの辺りの話は突っ込んで書くとアレな気もするので、
さらりと行きますが、
要するに、
アデノシンはミノキシジルとほぼ同じ作用機序があることが分かっていなかった段階で、
医薬部外品の育毛剤として認定されたものなのです。
医薬部外品の審査で濃度について議論された
濃度をどのぐらいにするのか?ということも申請時に検討されているのですが、
弱い効果である血管拡張作用を元に決められています。
実際の濃度は公表されていないのですが、いくつかの濃度で試験をして、
それほど高い濃度でないうちに血管拡張作用が頭打ちになったようです。
例えば、1%、5%、10%の濃度でAという物質を使った時、
血管拡張が100、700、1500と大きくなるということであれば、
濃度が高いと危険そうですよね?
ところが、1%、5%、10%の濃度で使用したところ、
血管拡張が100、500、500となったので、
5%で十分だから5%で配合します。ほら、安全でしょ?という感じです。
この例は適当な数字ですからね。実際のアデノシンの濃度ではありませんよ。
分かりやすいように、たとえ話として書いているだけです。
育毛についての作用機序が分かっていなかったため、
血管拡張作用が第一目的として医薬部外品の申請をしていますからね。
ビタミンB3と同程度しかない血管拡張作用で、
それほど高濃度でなくても十分だから少なめに入れておくよ。
ということであれば、審査を通過するのも分かりますよね。
育毛効果があるのはアデノシンの濃度が0.75%の時
アデノシンは含有量や用法によって医薬品になるものです。
現に、アデノシンの注射液は処方箋医薬品となっています(1)。
この注射液はアデノシンの血管拡張作用を利用した心臓疾患診断補助剤として認可されたものです。
これらのことから、アデノゲンEXはアデノシンの含有量について慎重な取り扱いをしているのだと考えらえます。
研究論文では0.75%のアデノシンローションに育毛効果があると示されているので、
育毛剤を評価する側としては、アデノゲンEXに0.75%入っていると公表して安心させて欲しいんですが…
まぁ、資生堂が出資している日本の研究報告では、
0.75%のアデノシンローションを使っていますので、
多分、その用量で配合してくれているんだと思います。
ね?資生堂さん?
価格
アデノゲンEXは容量で3つの商品展開になっています。
50mL
アデノゲンEX J
定価 2376円
150mL
アデノゲンEX
定価 7020円
300mL
アデノゲンEX L
定価 10800円
リアップと比べて副作用が弱いことから、肌に合わないということはないでしょう。
最初から大容量で購入する方がお得です。
アデノゲンEX Lについて、Amazonと楽天で相場を調べたところ、
定価 10800円ですが、
送料と税を抜きにした相場は7980円〜8920円でした。
現在、一番お買い得なお店はこちらです!
送料無料・税込みで8208円が国内最安値です。
↓販売ページです↓
資生堂 薬用アデノゲンEX(ラージサイズ)300mL [医薬部外品][発毛促進剤][育毛剤](Lサイズ 薄毛 ) upup7
アデノシンについてはこちらの記事もオススメです。
アデノシン(アデノゲンEX)は何で効くの?ミノキシジルだからです
ミノキシジルの副作用で治療できない?まかせて!
(1) http://fri.fujifilm.co.jp/med/products/attach/adjuvant/heart/adenosine/400022_79904A0G1026_1_03_content.html
(2) http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22020741
(3) http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17301835