当サイトでは5αリダクターゼは2つあって、1型と2型があーだこーだとご説明してきましたよね。
実は、3型もあるんです。知らなかったのか? いえいえ、分かりやすくするために、あえて無視してきました。
どういうことかご説明しますね。
3型の5αリダクターゼとは?
3型5αリダクターゼは、前立腺癌のがん細胞で多く作られることがわかっている酵素です(1)。
働きとしては、色々ありますが、1型や2型と同じようにテストステロンからジヒドロテストステロンを作ることができます(1,2)。
実は、前立腺癌のがん細胞で、この3型の5αリダクターゼの生産を抑制すると、
・ がん細胞でジヒドロテストステロンが減る
・ がん細胞の生存性が落ちる
ということがわかっています(1)。
知りたいのは頭皮で作られるのか?ということですよね。
残念ながら、まだよくわかっていません。
がん細胞以外の臓器や器官ではほとんど作られていないという報告と(1)、
皮膚、脳、乳腺などで多く作られているという報告があり(3)、
頭皮で3型が作られているのかどうかは、どちらとも言えない状況です。
3型があると話は変わるの?
変わりません。
皮膚で多く作られているという報告では、
デュタステリドが3型の5αリダクターゼを2型の5αリダクターゼよりも抑えるということが報告されています。
フィナステリドは3型と2型で同じくらい抑えるようです(3)。
頭皮で3型5αリダクターゼが作られていたとしても、
デュタステリドの方がフィナステリドよりも抑えるということがいえそうです。
つまり、育毛的には、フィナステリド(プロペシア)よりもデュタステリド(ザガーロ)の方が
ポテンシャルが高いというのは変わりありません。
実際に、デュタステリドの方が多く増毛できますしね(^^)
整理してみます。
一般的な理解としては、
・ フィナステリドは2型の5αリダクターゼを抑える
・ デュタステリドは2型の5αリダクターゼと1型の5αリダクターゼの両方を抑える
ですよね。
ここに3型を加えると、
・ フィナステリドは2型の5αリダクターゼと3型の5αリダクターゼを抑える
・ デュタステリドは2型の5αリダクターゼと3型の5αリダクターゼ、1型の5αリダクターゼの全てを抑える
ということになります。
それぞれの酵素を抑える力については、
ちょっと論文を見直してみたいと思います。
もうしばらくお待ちください。
頭皮で3型が作られているのかわからないので、
結論的なことが言えないのがもどかしいですね。
もう少し研究が進めば、
デュタステリドがフィナステリドよりも良く効く理由がより明確になるのかもしれません。
少なくとも、現時点でも、
フィナステリドよりデュタステリドが効果が高いのは間違いないので、
安心してザガーロで育毛していきましょう。
ザガーロの効果の限界を知っていただければ、
リダクターゼが2つであろうと、3つであろうと心配はなくなるかもしれませんよ。
→最強の育毛剤であるザガーロの限界とは?(効果と副作用)
参考情報
(1) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17986282
(2) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22415461
(3) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25961201