現時点(2016年11月20日時点)で最強の育毛剤であるザガーロを、
最も効果的に使用したいと考えた時
毎日飲む時間をいつにするのか?ということは気になるのではないでしょうか。
頑張って調べてみました。
結論を先にお伝えしておきますが、
夜寝る前がベストだと考えられます。
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ザガーロは何に分解されるの?
体内に入ってきた毒素や異物は、
24時間周期の体内リズムの中で分解されています。
サーカディアンリズムとか概日周期といった言葉は聞いたことありますか?
これは日中の太陽が出ている時間の長さを、
脳が感知して体内の活動のリズムを作ることなんですが、
このリズムに合わせて、
毒素や異物を解毒・体外に排出するということが起こっているんです。
毒素や異物が体内に入ると、
フェーズ1、フェーズ2、フェーズ3という3つの段階で体外に排出されることが知られています(1)。
フェーズ1: 核内受容体が働いて解毒系が動き出す
フェーズ2: 異物を水溶性にして胆汁などへ排出できるようにする
フェーズ3: 輸送系が働いて体外に排出する
です。
一般的に解毒系でメジャーなものは、肝臓で作られるCyp3a4という酵素なんですが、
ザガーロの添付文書によると、
デュタステリド(ザガーロの化合物名)もこの酵素によって処理されるということが書かれています(2)。
Cyp3a4は上で書いたフェーズ1の遺伝子であることが知られています。
デュタステリドはほとんどがウンチとして排出されますから、
フェーズ2の胆汁への排出系にもリンクしています。
このことから、
デュタステリドも一般的な異物の解毒・排出系と同じ流れで処理されていると考えられます。
デュタステリドを解毒・分解するCyp3a4は、
24時間周期の体内リズムに合わせて量が変動していて、
夜中の3時が一番少なく、昼の15時が一番多いことが報告されています(3)。
その量としては最大時と最小時で20%の変動幅です。
ここまでの大事なポイントをざっくりとまとめちゃいますね。
ザガーロ(デュタステリド)の分解は昼の15時に一番活発で、
夜の3時が一番起こらない時間帯である
ということです。
ザガーロってどのくらいで分解されていくんだっけ?
ザガーロの添付文書を見てみましょう。
0.5mgのザガーロを飲んだ時の血中濃度の変化です。
12時間以内に大部分が消失しているのがわかると思います。
この消失(分解)が起こる、12時間の間に、
ザガーロの分解が活発な時間帯が来るのと来ないのでは、
大きな差が生まれることが考えられます。
つまり、
夜の9-12時ごろに飲んだ場合、
朝の9-12時ぐらいまではザガーロの分解が緩やかなため、
最も効率的な飲み方ということが言えるでしょう。
そもそも髪の毛って1日周期なの?
髪の毛は2-3年の周期で生え変わるヘアサイクルが有名ですよね。
このサイクルとは別に、
24時間周期で毛根が成長を制御されていることがわかっています(4)。
つまり、
血液からの栄養などの供給や毛の成長の制御は、
24時間周期で行われていると考えられます。
ここは私の推測ですが、
1日の中でも毛の伸びる時間帯や、
細胞の分裂が活発な時間帯などもあると考えられます。
この24時間周期は、規則正しい生活によって維持することができます。
もし不規則な生活をしてしまえば、毛の伸びる時間が短くなってしまったり、
細胞の分裂頻度が少なくなってしまう、
といったことが起こってしまうでしょう。
さらに、
不規則な生活は、
デュタステリドを分解するCyp3a4の作られる時間帯がずれてしまいますから、
21-24時にザガーロを飲んだとしても、血中濃度を高く維持する効果がなくなってしまいます。
やっぱり、育毛においては規則正しい生活が重要なんですねぇ。
たった20%の違い?
いえいえ、「たった」という言葉を使えるのは、
ザガーロを飲んで圧倒的な効果があった人だけが言える言葉です。
例えば、食事と合わせてデュタステリドを飲んだ場合、
血中濃度量に15%の差が起こります。(詳しくはこちらの記事をどうぞ)
分解する酵素量が20%違うということは、分解する速度が20%速いということです。
一概には言えませんが、めちゃくちゃ単純に考えて血中濃度量で20%の差が生まれたとしたら、
食事と飲むタイミングを変えるだけで、
デュタステリドの利用効率が35%も変わってくるんですよ。
0.5mg飲んでいるならば、0.325mg飲んでいるのと同じことになっちゃいます。
大げさにいってしまえば、
ザガーロを1万円で購入している人は3500円分無駄にしているのと同じになっちゃうわけです。
ね、正しい知識で育毛をするのって大事でしょ?
なーんて。
まぁ、色々と仮定含みの話ではありますから、
ご参考までに(^^)
あ、でも今回の話は時間治療(chronotherapy)という
時間薬理学の理論を利用したものなので、
それなりの話にはなってると思いますよ!
時間治療は抗がん剤の投与タイミングや
喘息、心疾患の治療などで効果が広く認められている最先端の分野です。
興味のある方は参考情報の(1)を読んでみてくださいね。
参考情報
(1) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22303888
(2) http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00065940.pdf
(3) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24782075
(4) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20798039