育毛について調べたことがあれば、
ノコギリヤシに育毛効果があるのはご存知だと思います。
でも、その本質:何が効くのか?何に効くのか?どれが効くのか?を知らなければ、
ノコギリヤシの育毛法は
失敗に終わる可能性が高いです。
もし、当サイトを初めてご覧になるのであれば、
右側にある「薄毛お悩み診断」であなたの心配をあぶり出してみてください。
おそらく、この記事を読む必要はなくなります。
当サイトのデュタステリド記事の全てに目を通してくださった上で、
「このノコギリヤシ シリーズを読みたいんだ!」
というあなた。
まぁ、ゆっくり読んでいってください。
あなたのことを想って、かなり頑張っています(笑)
どのような事情かわかりませんが、
デュタステリドを選択できないあなたのために、
現時点で出来る最高の代替案をご提供していきます。
以下を読む前に、
テストステロン(T)
ジヒドロテストステロン(DHT)
男性ホルモン受容体(AR)
1型5αリダクターゼ
2型5αリダクターゼ
この辺りのものが、薄毛にどう関係しているのか知らないあなたは、
まずこちらの記事を読んでください。
【めっちゃわかる】なぜデュタステリドは良く効くのか?
5αリダクターゼのtype1(1型)とtype2(2型)は影響する場所が違う!
「わかるよ!」
というあなたは最後までお付き合いよろしくお願いします。
前置きが長くなってしまいました。すみません(^^;)
本編の始まりです!
もくじ
ノコギリヤシの効果
現在わかっている、ノコギリヤシの効果で主なものは、
1. 毛の根元の細胞がDHTを取り込むのを減少させる
男性ホルモン受容体にDHTが結合するのも減少させる(1)
2. 1型2型5αリダクターゼの両方を阻害する
PSAの分泌には影響しない(3)
3. エストロゲンの働きを抑える(4)
4. 性機能(ボッキ)の改善
5. 炎症を抑える作用がある(2)
です。
「あれ?何%の人で毛が生えたとかそういうことが知りたいんだけど…
というあなたはこちらの記事をお読みください。
ノコギリヤシ:どのぐらいの確率で毛が生えるのか?その効果をご覧ください
1. 毛包がDHTを取り込むのを減少させ、男性ホルモン受容体にDHTが結合するのも減少させる
これはイメージとしてはこんな感じでしょうか。
ジヒドロテストステロン(DHT)が細胞で働かなくなる(ARにくっつかない)ようにするわけですから、脱毛の指令が出なくなるわけです。
つまり、
抜け毛を抑制する働きがあるということですね!
2. 1型2型5αリダクターゼの両方を阻害するが、PSAの分泌には影響しない
上の動画はテストステロンやジヒドロテストステロンがPSAを分泌させる働きを示しています。1つ目の効果は、ジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容体にくっつかなくするということでした。
2つ目の効果は、PSAの分泌量は変わらない、ということですから、
テストステロンのみが働けて、PSAを分泌させるということなんでしょうね。
PSAは前立腺肥大症のマーカーです。
この量が多くなると前立腺肥大症の治療が必要になります。
フィナステリドやデュタステリドはこのPSAの分泌が抑制されてしまうため、
前立腺が肥大しているのにPSAの量が少ないということが起こってしまいます。
そのため、前立腺肥大を検査する上で注意する必要があります。
一方、ノコギリヤシはその点は全く気にしないで良いということになります。
これはありがたいですよね!
3. エストロゲン・プロゲステロンの働きを抑える
A: 男性ホルモン;テストステロンやジヒドロテストステロンなど
AR: 男性ホルモン受容体
ER: エストロゲン受容体
PgR: プロゲステロン受容体
通常、AR・ER・PgRは細胞の核の外、つまり遺伝子から離れた場所にあります。
男性ホルモンや女性ホルモンは細胞質にあるAR・ER・PgRと結合すると、
AR・ER・PgRが核の中に移動して遺伝子に結合し、細胞に指令を出させることが出来ます。
ここでは男性ホルモンとARの関係を例に動画にしていますが、
女性ホルモンとER、女性ホルモンとPgRも同じ動きをします。
こんなイメージです。
おそらく、1の動画と同じことが起こっているのでしょう。
動画のARをERに置き換えていただければわかりやすいと思います。
つまり、ノコギリヤシはエストロゲンの働きを抑制する働きがあるということです。
実は、この働きだけは育毛においては好ましくない可能性があります。
女性においてエストロゲンが減少すると脱毛が起こったり・毛が細くなるリスクが高まるということが報告されています(8)。
男性と女性はホルモンのバランス・働き方が異なるので男性にも適用出来る情報かどうかは微妙なところですが、
これだけ5αリダクターゼ阻害因子を多く含むノコギリヤシがフィナステリドよりも効果が低い可能性があるのは、
もしかしたらこの働きのせいかもしれません。
4. 性機能(ボッキ)の改善
これはあくまでネズミとウサギで行った実験結果ですが、
ノコギリヤシエキスがiNOSの遺伝子発現増加とホスホジエステラーぜ5の活性を抑制しました(5)。
バイアグラはホスオジエステラーゼを抑制してボッキできるようにするお薬です。
つまり、ノコギリヤシはボッキ不全を治療する効果があるかもしれないという研究結果なのです。
ここではお示ししませんが、前立腺肥大症の治療においても、
ノコギリヤシがボッキ機能にポジティブな効果があることが数多く報告されていますので(9)、
まず、間違いがなさそうな結果だと思います。
ボッキ不全といえば、デュタステリド・フィナステリドの副作用の一つですよね。
つまり、
ノコギリヤシは、5αリダクターゼを阻害しながら、ボッキ機能をアシストする効果もある
ため、
その副作用で苦しんだあなたにはとても適したサプリメントだと思います。
5. 炎症を抑える作用がある
男性型脱毛症は、DHTの局所的な微小炎症の
結果として脱毛するとされています。
ある研究によると、
ノコギリヤシからの抽出物は炎症や細胞死を引き起こすシグナル(CCL17, CXCL6, LTB)を減少させた。
ノコギリヤシからの抽出物は抗炎症作用がある(6)。
ということがわかっています。
この他にもノコギリヤシの抗炎症作用に関する研究は数多くあります。
当然、この抗炎症作用も薄毛には効果があると思われます。
本当の本題はここからです(笑)
さて、ここまでで、ノコギリヤシの効果についての情報は十分かと思います。
ノコギリヤシの効果の範囲はフィナステリド(2型のみ阻害)よりも広く(1型+2型を阻害)
デュタステリド・フィナステリドがボッキをし難くしてしまう副作用の可能性がある一方で、
ノコギリヤシはむしろボッキしやすくなる効果がありそうだということでしたね。
ノコギリヤシの育毛法は失敗に終わる可能性が高いとお伝えしたと思いますが、
その理由は、
どのノコギリヤシ製品でも、上で書いた効果があるというわけではないからです。
どういうことか?
↓次の記事に続きます(笑)
ノコギリヤシエキスの育毛剤ならどれでも効くと思うのは間違いです
ごめんなさい、長くなっちゃいました(–;)
でも、次の話のためには効果を理解していただく必要があったんです。
ご容赦くださいm(._.)m
あとがき的な何か
素晴らしい守備範囲なんですが、5αリダクターゼの抑制効果自体は、
フィナステリドよりも弱そうであることが残念でなりません。
実は、ノコギリヤシの1型5αリダクターゼ阻害作用は、
フィナステリドの3倍あるといこともわかっています(7)。
つまり、フィナステリド+ノコギリヤシ+ミノキシジルという選択肢もあるのですが、
デュタステリドが登場した今は過去のものとなってしまいましたね。
デュタステリド+ノコギリヤシ+ミノキシジルという選択肢はありなのか?
ボッキだけに関して言えば有効かもしれません。
参考情報
(1) http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20300369
(2) http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19692448
(3) http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15543614
(4) http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1691841
(5) http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23622773
(6) http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19692448
(7) http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8142312
(8) http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24197658
(9) http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21304222